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悪女と紳士の経済学 (日経ビジネス人文庫)悪女と紳士の経済学 (日経ビジネス人文庫)
著者:森永 卓郎
販売元:日本経済新聞社
発売日:2001-03
おすすめ度:5.0
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まずは、概略から。

第一章 恋愛と結婚の経済法則
『源氏物語』にあるとおり、日本は本来、既婚者だろうが、未婚者だろうが、そんなの関係ねえ〜、自由恋愛だった。しかし、外部から入ってきた、儒教倫理や、アグロサクソン的恋愛感及び結婚観がそれを歪めた。

第二章 愛の終身雇用制
儒教倫理や、アングロサクソン的恋愛感及び結婚観による、法律に守られた結婚制度は、男性や女性を魅力のないおじさん、おばさんに変貌させ、夫は仕事、妻は家庭に専念するように仕向けられた。高度成長においては、その分業体制が効率的だった。

第三章 恋愛市場の規制緩和
高度成長期が終わり、心の豊かさを求める社会になるつつある。恋愛は人の心を豊かにする。恋愛市場を既婚者にも開放し、日本の本来のあるべき姿に戻しては!?

第四章 結婚市場の自由化
恋愛市場の市場規模は、1990年時点で45.6兆円。GDPの11.4%を占める。15歳〜30歳位までの若年層がこの市場のターゲット。だが、結婚市場の自由化により、既婚者が恋愛市場に参入できれば、40歳以降の人もターゲットとなり、恋愛市場の規模は拡大する。

第五章 生涯恋愛社会の構築に向けて
アングロサクソン型家族は、愛に溢れた家庭と浮気は表裏一体で、浮気が発覚してしまうと、社会から制裁を加えられてしまう。それに対して、生涯恋愛社会の欧州型家族は、結婚と離婚が柔軟に行なえる。だが、婚外子などの問題が子どもの成長環境に悪影響を及ぼす。

日本の目指す家庭システムは、どちらでもない。かといって、先進国すべて一夫一妻制で、経済の安定的成長には、家族の安定性が必要だから、この制度を崩すわけにはいかない。それを残しつつ、生涯恋愛社会を構築するためには、家庭には恋愛を持ち込まない、家庭と恋愛の機能を分離するシステムを導入すべき。

つぎに、気になったところ。

「配偶者と死別して、一人になり、生きる力を失ってぼけ始めたお年寄りが、性的なかかわり合いをもてる相手とめぐり合ってぼけが直った人、また、ぼけたお年寄りが、家庭の看護疲れで老人ホームに入れられ、入居した部屋の隣のベッドに、自分の気に入った女性が居合わせ、ぼけが消失した例もある。」(文中より)

愛の力ですね、わかります。

また、男の側からみれば誰だって、恋愛市場で恋人関係ができるのであればそうする。それができないこそ、ソープランドに通うのだ。文化人と称する人たちが、そういう男たちを非難するときのイメージ、すなわち、獣がカネにあかせて女性を蹂躙する、というイメージと現実はあまりにかけ離れている。(文中より)

おれのことか(笑)。森永卓郎は、社会的弱者の視点から、書かれている文章が多い。ま、こういう性格なんだろうな。

最後に、まとめ。

ひとこと
「萌え経済学」も面白かったけど、これも面白かった。日本人の基本は、やっぱ石田純一なんだよね(笑)。それを、儒教倫理やら、アングロサクソン的価値やらが変えてしまったみたい。

だが、違う文化を真摯に受け入れたおかげで、立派な先進国になれたのも否めない。。。ということで、みんなで石田純一を見習おうでFA??

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