セイラー教授の行動経済学入門
リチャード・セイラー
ダイヤモンド社
2007-10-27


‘‘行動経済学’’とは、‘‘従来の経済学(すべての人が合理的に動くことが前提)’’では説明できない現象を解明するもの。この本は数多くの事例を使い、行動経済学についての説明を行なっている。同じ人が書いている『実践 行動経済学』より、競馬、ロト6、株式など、身近なテーマを扱っており分かり易かったです。

この本を書いたリチャード・セイラー氏はノーベル賞を受賞した人で有名だが、「時価総額の小さい小型株のリターンが継続的に高い」「PBR(株価純資産倍率)が低い株式のリターンは高い」など、アノマリー研究でも有名な人物。

例えば、毎月分配型ファンド。このファンドを‘‘従来の経済学’’で考えると、実際は損になり、あまり良い商品ではない。一方、これを‘‘行動経済学’’で説明すると、人間は将来の利益より、目先の利益を重視する行動をとる。そのため劣悪商品なのに、なぜか売れてしまう現象が起きている。

この本を読んで思ったが、人間は目先の利益に騙される傾向があるのかなと。

現在進行中のコロナショックで、FRBが果敢に何度も利下げを実行している。利下げをすると、国債より株式が有利になり、株価は上昇するはずなのに、実際は群集心理がはたらき暴落。

このケースも将来の利益を考えずに、目先のことに翻弄されている現象。どこかで再帰性が起き、株価は是正される気がするけど、どうなんやろか?

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