自動車の社会的費用を具体的に割り出し、それを内部化する方法を探った本。社会的費用とは、交通事故や公害などにより社会全体あるいは第三者が被る損失のことを指す。

この本が書かれた1974年頃は交通事故や公害より、モータリゼーションを重視した時代。この時代に問題を提起したのはスゴイと感じます。そして、著者の宇沢弘文氏は日米で教授を務めていた。そのため、日米の交通事情に精通しており、その観点からも述べられている。

2018年には、地球温暖化の社会的費用を算出したウィリアム・ノードハウス氏がノーベル経済学賞を受賞している。宇沢弘文氏は時代を先取りしており、生きていればひょっとしたら?ということを思わずにはいられない。

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