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渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)
著者:藤田 晋
販売元:幻冬舎
発売日:2007-08
おすすめ度:4.0
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最近、『渋谷ではたらく社長の告白』を読んだ。

読んだ理由は・・・・う〜〜ん、なんとなく。この本は藤田さんの幼少ころから現在に至るまでを、小説風に書かれてあり、スラスラと読め、なかなか面白かった。

いつものように、オイラの気になったところをチョイスしてみました。

1.ネットバブル
1999年春、突如としてアメリカでインターネット関連の株価が高騰し始めました。

ヤフー(YHOO)、ネットスケープ、アマゾンドットコム(AMZN)などの株価が連日暴騰していきます。

日本でも、新聞やメディアが連日その模様を取り上げ始めました。

「ヤフー(YHOO)は旧来のメディアをひっくり返す力を持っている」

「アマゾンドットコム(AMZN)の参入で、従来型の書店は軒並み苦境に陥ることになるだろう」

株価が上がっているからには、その理由を解明し、わかりやすく説明するのがマスコミの役割です。

〈なぜ株価が上がるのか〉

〈インターネット企業はどこが素晴らしいのか〉

〈ネットビジネスはどう凄いのか−〉

新聞や雑誌などのメディアには毎日のようにインターネットビジネスに関する話題が載るようになりました。ハイ

パーネットの倒産から2年近く過ぎた頃でしょうか。冷え切ったマスコミのインターネットビジネスに対する急速に好意的に変わってきました。

「日本のインターネット関連銘柄を買うんだ」

アメリカでインターネット関連の株価が上がったら、次は日本でも同じ現象が起きるはずです。

当時のインターネット関連事業は、日本はアメリカに1年以上、実態としては遅れていたと思います。それにも拘らず、日本でもインターネット関連の株が上がり始めました。

「ヤフー(4689)、・・・・・えぇ・・・・・と、ほかに何がある?」

アメリカより遅れているせいか、上場しているインターネット企業はほとんどありませんでした。

「仕方がない。ネットベンチャーに投資している会社の株を買え」

ソフトバンク(9984)、光通信(9435)、トランスコスモス(9715)。本業はネットビジネスではなくても、インターネット企業に投資している会社の株価が軒並み上がり始めました

「これから上場しそうなところで有望なところはないのか?」
この頃からです。私のところには、ベンチャーキャピタルやベンチャー投資をしている事業会社からの面会の依頼が・・・・(文中より)


当時オイラ、携帯電話の委託販売をしていた面白みのない事業の光通信(9435)の株が、なぜ上昇しているのか疑問に思っていました。ネットベンチャーに投資している会社だったんですね。そうだったのか、なるほど_〆(.. )

2.ネット掲示板
インターネットの掲示板はマスコミを遥かに越える厳しさでした。ヤフー(4689)ファイナンス掲示板や、2ちゃんねるには連日のように誹謗中傷が並びます。

脚光を浴びた代償です。ある程度は覚悟していましたが、それは想像を絶するほどのものでした。

「藤田金かえせ」

「福井の田舎へ帰れ」

最初は擁護してくれる人も現れるものの、下げ続ける株価にやがて悪口を書く人しかいなくなっていました。

株主ではなさそうな人まで加わって連日、根拠のない誹謗中傷のオンパレードです。

「ウソつき藤田」

「藤田は会社で女といちゃついている」

「上場してから仕事のことなど頭にない」

投稿者の中には、明らかに当社の社員が書いたと思われる内容も見られるようになりました。

〈いったい誰が書いているんだろう・・・・・〉

私は疑心暗鬼に・・・(文中より)


藤田さん、ヤフー(4689)ファイナンスの掲示板や2ちゃんねるを見ているんですね。オイラもヤフー(4689)ファイナンスの掲示板に、そんなことをちらほらと書いた覚えが・・・すいませんm(__)m

3.バーゲン価格
2001年に入り、ついに株価の下落が止まりました。

しかし、止まったと言っても会社の評価が上がった訳ではありません。会社は現金で180億円程度保有しているのに、時価総額(その会社を丸ごと買える金額)がその半分の90億円程度に下がったのです。

わかりやすく説明すると、1万円のお札が5千円で売られているようなものでした。

会社を丸ごと買収して、解散すればすぐに90億円儲かるというところまで株価が下がりきっていたのです。
つまり、株価に関しては現金が唯一のストッパーでした。

「藤田くん、この株価はね、藤田君に・・・・・」(文中より)


サイバーエージェント(4751)もバーゲン価格の時期があったんですね。今じゃ、割高でとても怖くて買えないけど(笑)

4.村上ファンド
同じ時期、『日経新聞』にある記事が掲載されました。

〈村上氏が第4位株主 サイバーエージェント(4751)に減資を求める公算〉

昭栄(3003)という会社に対する敵対的買収で知られていたM&Aコンサルティング社長・村上世彰氏がサイバーエージェント(4751)の株を10%程度まで買い占めていたのです。最近、フジテレビジョン(4676)とライブドア(4753)によるニッポン放送株式の争奪戦で動向が注目されている、通称「村上ファンド」を率いる方です。

モノ言う株主がついに日本にも登場したということで、当時からいつもマスコミから注目されている人物でした。

私は村上氏との親交のあった宇野社長から紹介いただき、会いに行くことにしました。

現在も村上さんとはプライベートで親しくお付き合いさせて頂いていますが、当時はいろんな人から根拠のない忠告を受けました。

「村上氏は新手の総会屋だよ」

「気をつけないと会社を乗っ取られるよ」

でも、そういう根拠のない噂話は、自分自身が身を持って苦しんでいたので、気になりませんでした。むしろ逆に、このとき私は嬉しく思っていました。

〈どんな株主であろうと、当社の株をこんなにも買ってくれる。最大限の誠意を尽くそう〉

現在は六本木ヒルズに本社を構えるM&Aコンサルティング社ですが、当時はまだ駆け出しの投資会社で、広尾ガーデンヒルズのマンションの一室にオフィスを構えていました。

「はじめまして、藤田です」

「よく来てくれたね。村上です」

旧通産省出身の村上氏は、メガネをかけた色白の、どこにもスキのない人物という印象でした。

「当社の株主になっていただき、ありがとうございました」

私は、まずそう言いました。

「それでね、単刀直入に言えば、150億円以上の現金を持っているでしょ?」

「はい」

「それを使う計画が無いんなら、一度株主に返したらどうかと思うんですよ」

「はぁ・・・・・」

「ネットバブルのときに調達したのは仕方ないから、一度清算してやり直してはどうですか。というのが僕の提案です」

私は意地になって、ネットバブルのときについた株価にふさわしい会社に成長させようとしている最中でした。会社にある多額の現金も、今後成長していく過程では使う可能性があります。

私は誠意をもって説明させてもらった後、

「社に戻って考えてみます」

そう言い残してオフィスを後にしました。

13

ある日、私はふと胸騒ぎを感じて、近くにあった最新の『会社四季報』を手に取りました。そして、当社の株主構成の欄を探しました。

藤田晋22.6%、GMO(9449)21.4%、有線ブロードネットワークス(4842)13.4%、M&Aコンサルティング約10%、そのほか・・・・。

−恐ろしいことに、私は気がつきました。

現時点で、どこかの株主がその気になれば、サイバーエージェント(4751)を子会社化することができるのです。

自分の株を社員に配ったことで、私の保有比率が下がっていたのです。

前述したとおり、サイバーエージェント(4751)は多額の現金を保有している一方で、株価が低迷していました。現金目当てで買収しても巨額の儲けが出る状況にあったのです。

しかし、私は・・・・(文中より)


恐るべし村上さん、金儲けの嗅覚はすごいものを持っていますね。多分、サイバーエージェント(4751)の危うい株主構成と多額の現金保有を知って、ここの株を大量保有しようと考えたんでしょう。

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