以下に、当四半期決算に関する良い点と悪い点を挙げます。



良い点
1.売上収益の増加
・売上収益が前年同期比で10.1%増加し、187,778百万円に達成しました。小売・フィンテックセグメント両方の成長が寄与。

2.営業利益および経常利益の増加
・営業利益は33,289百万円(前年比+15.1%)、経常利益は30,348百万円(前年比+11.7%)を記録し、順調な増益が確認されました。

3.フィンテックセグメントの堅調な成長
・カードクレジット取扱高が前年比+10%で大幅に拡大し、エポスカードの新規会員数も増加(前年比+1万人)。カード事業が収益を大きく牽引。

4.非物販テナントの強化
・店舗バリューアップにより、非物販テナント構成が63%(前年比+5%)へと拡大し、安定的な賃貸収益が確保されました。特に体験型テナントやイベント型の店舗が貢献しました。

5.株主還元の向上
・年間配当金を過去最高額となる106円(前年比+5円)とし、株主への利益還元を強化している点は良い評価。

悪い点
1.キャッシュフローの悪化
・営業キャッシュフローが前期比で大幅悪化(前年▲362億円→本期▲896億円)しており、資金流動性の課題が浮き彫りになりました。

2.有利子負債の増加
・前年に比べて有利子負債が大幅増加(前年比+1,403億円)し、財務基盤の圧迫のリスクが懸念されています。

3.利益剰余金の減少
・利益剰余金が前年同期より減少(164,453百万円 → 163,901百万円)。純資産も減少しており、自己資本比率は21.2%まで低下(前期25.2%)。

4.減損損失の増加
・固定資産の減損損失が発生(496百万円)し、一部事業の効率的な資源配分に課題あり。

5.自己株式取得費用の増加
・自己株式の取得に伴う支出が前年より増加(約10,758百万円)、資金の活用に慎重さが求められる。

2025年3月期第3四半期では、小売とフィンテックの両セグメントが順調に成長し、売上収益や営業利益が増加しました。
特に、フィンテック事業の拡大と店舗改革が業績向上に大きく寄与しました。
一方で、有利子負債の増加や営業キャッシュフローの悪化など、財務面の課題も見られます。
今後は財務強化とキャッシュフロー改善が必要です。

証券コード 社名 業種 関連銘柄 PER 配当利回り ROE PSR 進捗率
8252 丸井グループ 若者向け百貨店 フィンテック関連 18.0倍 4.16% 9.88% 2.26倍 進捗率74.0%(3Q時点)




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