アストロスケールＨＤ　３Ｑ　2025/03/14

以下に、当四半期決算に関する良い点と悪い点を挙げます。

良い点
1.プロジェクト収益の増加
・プロジェクト収益が前年同期比38.4%増の3,709百万円に成長し、政府補助金収入を含めた収益基盤が拡大しています。

2.新規契約の獲得
・ELSA-Mフェーズ4やCRD2フェーズⅡを含む複数の大型契約を取得し、受注残総額が前年末の5,411百万円から23,845百万円へ急増しました。

3.資本の増強
・株式発行による収入により資本金が約10,156百万円増加し、親会社所有者帰属持分比率が21.6%から26.5%に向上しました。

4.技術開発の進展
・「ADRAS-J」のデブリ接近・観測ミッションで成功実績を示し、宇宙デブリ分野での技術力を強化しています。

5.防衛関連事業の進出
・日本の防衛省や英BAE Systemsとの契約で、防衛関連分野での影響力を拡大しています。

悪い点
1.大幅な損失拡大
・四半期損失が前年同期の5,824百万円から16,324百万円に拡大しており、収益以上にコストが急増しています。

2.売上収益の減少
・売上収益が前年同期比24.8%減の1,499百万円となり、商業的収益基盤の構築に課題が残っています。

3.コスト負担の増加
・販売費及び一般管理費が前年同期の7,163百万円から14,415百万円へと急増し、収支バランスが悪化しています。

4.キャッシュフローの悪化
・営業活動によるキャッシュ・フローは10,787百万円の支出となり、前年同期からさらなる悪化が見られます。

5.未来収益の不確実性
・受注総額や補助金依存の収益体制は変わらず、契約の実現性やマイルストーン収入の認識リスクが存在します。

株式会社アストロスケールホールディングスは、宇宙デブリ除去市場で技術革新と国際提携により成長を続けています。
2025年4月期第3四半期では、収益拡大や防衛関連での新規契約が目立ちましたが、大幅な損失増加とキャッシュフロー悪化が課題です。
補助金依存から脱却し、商業収益の安定化とコスト削減が必要で、持続可能な成長戦略を急ぐべきです。

証券コード	社名	業種	関連銘柄	PER	配当利回り	ROE	PSR	進捗率
186A	アストロスケールＨＤ	宇宙関連サービス	防衛関連	0.00倍	0.00％	0.00％	33.6倍	進捗率-％(３Ｑ時点・赤字拡大)